彼女、お借りします 全部見た

彼女、お借りします 通称カノカリ を全部見た。

 

kanokari-official.com

一番の魅力

ストーリーとかそのへんは全部棚に上げて、とにかくヒロインズがかわいいアニメ。タイトルに反してまっさら清らかに明るい雰囲気が魅力的。あと基本的に主人公にイライラするアニメ。

本作はヒロインの可愛らしさやそんな仕草が、髪の毛や顔のほてりといった線描1本1本へのこだわりや細部まで行き届いた配慮によって表現されるに最大の魅力がある。大学生組はちょっと化粧っ気があって口が艶めかしい。高校生のルカちゃんは化粧っ気が薄め。そんな小さな積み重ねがあって、さらに可愛らしさを共鳴して上積みするのがCV。似てるようで種類の違う4種類のボイスで見事にキャラ付け。

あと地味に革命的なのは主人公の和也くんの自慰シーンが生々しいのにコメディタッチであるところ。エンディングから平気で事後の丸めたティッシュぽいしてるし、なんか水原を妄想して上と下同時にまさぐってる。だけどなぜかコメディのままである。夜の店で直接、じゃないあたりにもヘタレ感がある。

 

時代性

演出上特筆するべくは、2020年の時代性がかなり全面に表現されていること*1

これらを端的に表すのがOPアニメーションに違いない。アップテンポで明るいバンドソングにバッチリ音ハメした映像。前奏は今風に「踊ってみた」スマホ(縦画面)で撮ってTikTokにでもアップしたような雰囲気。これいいよね。髪の毛一本までも踊っているような微細でポップな踊りがとにかくかわいらしい。「響けユーフォニアム」2年生編の映画でもスマホ撮り演出あったよね。時代性と学生感がこの3年位の限定モノとして表出されていてすきです。そして劇伴がFutureBassとChipTune風味で新鮮かつ特徴的。ヒャダインにしてやられた。

バンド+踊ってみた+SNSスマホの組み合わせは、2020年代の高校生・大学生の姿をステレオタイプ的に映し出し、大衆の共感を得る。そこにレンカノをトッピングして始めてフィクションとして動き出せる。大学生だから学園モノより少し踏み込んでエロスを表現してもおかしくない。

 

もう表現をあきらめた

かわいいの原因を指摘するだけの表現力が著しく不足していて、基本的に何見てもかわいいしか言えないので、私の叫びだけ連ねて早々に締めたいと思います。

 

マミちゃんの策士悪女感がいい。

映像の(主に目の)表現に加え、CV悠木碧氏の面目躍如で声の表現がかなりいい。もともとまどマギのまどかからいい声だなあと思っていた。まどマギ4話だか5話の悲鳴、最終話のほむらちゃんへの語りかけかな、ちょっと芯がなくてモヤモヤと喋る声が武器で、場面にハマると耳に残っていいなと思っていた。本作においては真意を出さないモヤモヤボイスに音程の高低が巧妙に添えられてヤベェ奴感が増幅されている。

 

ルカちゃんがかわいそう。

めっちゃ一途に好意を伝えてきて、はきはきしゃべる元気でかわいい後輩キャラ。なんで受け入れてあげないんですかヘタレ主人公よ、と思ってしまった。こう思っちゃうのは多分ヘタレ主人公がいきあたりばったりでずーーーっとモヤモヤして自分の気持ちとか体でも言葉でも表現してないからだな。きっと。あとなんでルカちゃんの好感度MAXになるんですか。ずるい。

 

2期も見ましょう。

*1:同じ2020年に制作されていても、「イエスタデイをうたって」は2000年より前なので文化住宅に住んでるし、2020年舞台のカノカリはワンルームアパートに住んでいる