金沢のせつない家電量販店事情
お仕事帰りや旅行先で、ちょっと電器屋さんに寄りたいことありますよね。充電器やモバイルバッテリーが欲しかったり、切れた電球を買い替えたり。
駅前の電器屋さんや、あるいはドンキのような雑貨屋に寄って買うことは割と普通かと思います。
しかし金沢ではできません。
駅前に電器屋も雑貨屋もないからです。それどころか中心部に存在しません。
関東や関西にお住まいの方にとっては、駅前に大小問わず家電量販店が立地していることはあたりまえの光景で、仕事帰りにちょっとお買い物することは普通でしょう。だがしかし金沢では無理なのです。
人口の少ない地方で多くは望むな、ごもっともであります。
でも甲府にはヨドバシができるし、長野だって駅前のドンキで多少取り扱いがあるはず。金沢は電球どころか、まちなかで携帯落っことして壊しても対応してくれるショップすらありません。観光客はどうしたらいいんですかね。
車社会・郊外化
電気店によればそれなりの大きさのものを買って帰るわけで、客が車で来店しやすい立地になるのは当然と言えますが、それにしたって、仕事や観光で寄ったイヤホンとか電球とか充電ケーブルとか小物を売る店くらいあってもいいと思いませんか*1。
12店がしのぎを削る
金沢周辺は12店の電器店がしのぎを削る金沢周辺は、人口比率で見るとオーバーストア状態となっているようで、わざわざ車でのアクセスがよくない中心部に出店するメリットがないとも言えます。
しかしそれは一面的でしかありません。
郊外化が進んだ結果、金沢駅や片町を中心とした半径数キロに大型量販店が存在しません*2。中心部半径約1km円内(犀川・浅野川・JR線に囲まれた領域)には郊外化が進んでなお6万人近くが住んでおり、また市内周辺に20代の学生人口も高くなっています。物理的に家電量販店へのアクセスが悪い人口、車でアクセスできない人口がともにそれなりにいるわけです*3。そして上で少し触れた観光客。新幹線開業で激増した観光客。マジで電気小物で困ると思いますよ。コンビニ・雑貨屋、たしかにモノはあるけどそうじゃない。ココ行けばいいというわかりやすさがないと言いたい。観光客はコロナが終わればいずれ帰ってきます。
あれ?郊外じゃなくても意外と商圏人口いたりしない?
しのぎを削った結果の薄い品揃え
12店がしのぎを削るといえば聞こえがいいのですが、その弊害か、各店舗とも特に黒物家電の品揃えが悪くなっています。カメラはギリギリ「キタムラ」で見れないこともないけども、オーディオは地場の専門店が壊滅しているので、少しこだわった現物を見たければ200km離れた京都や名古屋で品定めをしなければならない状況です。
都会と同じ品揃えにしろとは求めませんが、カメラならフラッグシップであるはずのD780やα7すら置いてないし、オーディオも1万超えの高額商品はSONYとオーテク、時々BOSEが関の山です。たしかにそれで概ねの需要は十分満たせるとは思いますが、いろいろ並んでいることそれ自体がもたらす刺激があるはずと私は信じています*4。心躍る店を私は求めています。日本全国どこでも一緒の紋切り型の店しかなくて、東名阪のちょっとした駅前にあるような量販店にすら品揃えでまったく勝負にならないんですよね。
結局何が言いたいかというと
金沢駅前にはいま、巨大な空き地があります。所有者の近鉄不動産は、きっと万博後まで塩漬けにするつもりの土地。
金沢駅西口にもJRが移転した跡地があるんですよね。
ヨドバシさん、ビックさん、金沢の駅前にいい土地ありますよ!
いつもの品揃えで木っ端な量販店駆逐しちゃってくださいよ、そもそも半径3kmにライバル店いませんよ!よろしく頼みますよ!!マジで!!
都心立地型量販店は、郊外化が進みすぎた都市では商機があるかもしれないという話でした。個人的にはもし出店すればその系列に通販も全部切り替える所存。ヨドバシかビックが出来たら私は通います。